登山隊公式報告(4)

2001/4/21

1)隊の状況 4月13日〜4月20日

 BCのアイスブロック崩壊の音や氷河の動くミシミシという音にも慣れ、いよいよ6,000mクラスの高所順応に向けて動き出そうとしていた 4月13日の午後から降り始めた雪は夜まで止まなかった。積雪は約20cm。一面白の世界となる。夜サーダーとの打ち合わせで4月14日 は雪崩待ちのための休養日(停滞)と決定。あく居る4月15日も積雪状態が安定しないため引き続き休養日とする。晴れているのに行動 できないのは辛い。BCに居る他のパーティも危険を熟知しているせいか誰も動かない。4月9日にBC入りしてから5日間、C1往復があった ものの上部へ行けない。まだBC入りしたばかりなのに予備日数の使い込みが気になるが仕方がない。

 4月16日いよいよC1入りの日、早朝5時にBC発。アイスフォールには新雪が積もっているが先行するシェルパがフィックスザイルを掘り起 こしトレースを付けてくれているので安心して登ることができる。クレバスの梯子、崩れたアイスブロックの中、垂直の氷の壁と緊張の連続だが 4月12日にBCから往復したときに比較すると少々余裕を持ってC1に到着。いよいよクーンブ氷河の内院に入ってきた気分。テントから外を 覗くと西にプモリが聳え立っており南はヌプツエの壁、北にはエベレスト西稜が迫ってきている.C1はどちらかというと仮のテント地、本格的な 登攀基地となるC2への中継地。シェルパはBCからいきなりC2へ荷揚げしまたBCに戻るし、降りは隊員もC2から一気にBCに降る。ただ 悲しいかな我々隊員はまだ高所順応も十分でなく年齢的にも無理が効かないので登りはC1を使わざるを得ない。

 翌4月17日、C2へ向けて高所順応のための行動となる。シェルパはC2への荷揚げの準備やテント場整備のため忙しく誰もついてこず 隊員のみの行動となる。7時40分出発早々少々風が強いのと気温がー14度Cと寒かったため隊員間で行動の乱れが出る。じっとしておれ なくて歩き出す隊員、風が止むのを待つ隊員と分かれる。ルート的には安全なため風待ち隊員が先行隊員を追いかけることで相互に了解し 登り始める。とにかく風が吹くと無茶苦茶寒く、太陽が出ると凹面鏡の中に居るがごとく暑くてたまらないのがウエスタンクームだ。ゆったりした 雪原の登りが果てしなく続く。ローツェフェースの段々のついた氷河がどんどん間近に迫ってくる。ローツェフェースからヌプツェ北面が一枚岩 のようだ。エベレスト南西壁も頭上に追いかぶさってくる。サーダーから11時には戻るように言われていたがなかなかC2予定地に着かない。 最後にピッチを早めようやくC2テントサイトの最下部に11時に着く。ゆっくり休むまもなくC1に向けて降り始める。途中風待ち隊員と合流し C1へ着く。」

 小雪の中4月18日C2へ向けて出発。途中BCから荷揚げに登ってくるシェルパに追い抜かれながらも広い雪原を登りきり昨日到達したあたりまで来るがそこからが長い。C2予定地はクーンブ氷河の本流にエベレスト南西壁から出てくる小さな氷河がつくるモレーンがぶつかる地点 だ。考えにくいことだがC2予定地は雪原上ではなく不安定なモレーン上にある。南西壁から大きな岩雪崩があると小さな小石ぐらいは飛んで 来るかもしれない。C1から4時間20分かかってようやく6,450mのC2に到着。シェルパが作ってくれたテントにもぐり込む。

 いよいよC3へ向けての行動が始まる。このC2から上を我々はいわゆる高所と呼び靴から着るもの、寝袋まで低所用と切り替えて登る。4月19日シェルパなしで高所用装備を身にまといゆっくりと出発ローツェフェース基部へ向かって進む。先行するロシアのパーティが既にローツェ フェースを登り始めている。我々はローツェフェース基部の手前6,700mあたりで引きかえす。初めての高度でもあり足の動きが鈍い。

 翌4月20日,C2(6,450m)から一気にBC(5,450m)へ戻る。BCマネジャーやコックが暖かく迎えてくれる。久しぶりにおいしい食事が 食べられて満足。BCに比較して上部キャンプの食事がまずいのを何とかしなくてはと思う。それより50〜60才代の5人全員が大きなトラブル もなく6,000m台の高所順応行動に耐えられたのはありがたいことだ。

2001/4/

アイスフォールの中で梯子を渡っているところ

Nikon Coolpix 990で撮影

2001/4/

ローツェフェースの写真

Nikon Coolpix 990で撮影

 

2)隊員の現在の状況   

@登山隊員

今成隊長 いつも最後尾をゆっくり慎重に行動。行動に乱れなし。 しんどいのを我慢で跳ね除けている。
川田隊員 登攀リーダー。足に痛みはあるが好調維持。 先頭を歩けば苦しいのもごまかせる。でも寄る年がヒタヒタ。
どこまでごまかせるか勝負。
河野隊員 メラピークでバテていた隊員とは様変わり。 6,000m台も不安なし。少々咳きが。
和田隊員 いつも中間位置で右往左往。 しんどいならビデオを廻さなくてもよいのに。 喉を痛めてまでドナルなよ。
間瀬隊員 何を言われようがポーカーフェース。ひたすら登る。 誰の後でもピタリとついて登れる強い体力。


A BCマネージャー

福西隊員 午前ふっくら午後引き締まった天平美人。 高所順応できたのかできないのか。
ヨッシャの一言ですべてが進む。マネジャーの親分
森隊員 BC生活にようやく慣れ、たまには散歩。 BCの順応が充分できてもいないのに勝手にうろうろするな(陰 の声)。
井形隊員 いつもニコニコ隊員を和ませてくれる。 (本当はよくわからないが)通信は任せて。
尾崎隊員 好きなビールを買い出しに行く余裕が。お肌のお手入れバッチリ、 BCマダム。
今成食料隊長とのコンビもバッチリ。

 

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